本日は「遠江山中」です。大きな角材が対角線にどんと描かれ、この木をささえる支柱の間に富士を見るなど北斎の構図のユニークさが伝わる作品です。木挽きの仕事に大きな関心を持ったと想像できます。

応接室前の浮世絵を夏らしく替えましたので紹介します。葛飾北斎の「富嶽三十六景」から、浮世絵の真骨頂である人の営みを中心にセレクトしました。①今回は「甲州三嶌越」です。旅人が両手を伸ばし巨木の太さを計っています。木と富士の遠近法が際立ち、入道雲と夏富士が見事に描かれています。現代風に名付ければ「ハグ」かもしれません。自然に対する畏敬の念と遊び心を感じる1枚です。