「20日間チャレンジ」人物紹介 この特別な春に。
スクールライフ
福島県「三春」という町があります。春の訪れを告げる梅・華やかに盛り上げる桃・そして去り行く薄紅の桜、それぞれがひとつひとつでも美しいですが、そこでは三つが同時に訪れるためその名がついたとされています。
東北は関東のように、少しずつ春めいていくのではなく、芽吹いた花々が一気に景色を華やかにして春に変わります。長く厳しい季節を耐え抜いた人々を、豪華絢爛な景色で迎えてくれるのです。
今年は人間にとって厳しい状況から始まっています。人は自然には逆らえない存在だと感じることも必要です。しかし、歴史を振り返り、過去に学べば、様々な困難を乗り越えた人間の叡智を感じられるかもしれません。過去を学ぶことは、明日を生きるためにつながっています。古きを温ねて新しきを知る。
そして、乗り越えたその先で、自然は美しい景色できっと迎えてくれる。そのはずです。
君たちの物語を紡ぐ
極めるということ。大学って何をするところ?どういう人が教えているの?と思いませんか。理系はすこし違いますが、特に文学部の日本文学科の教授といわれる人たちについての一つの答えは【「オタク」をさらに極めた人】たちです、と。大学に行って、最初に受けた衝撃的な講義は、三四郎(夏目漱石)の中に出てくるヒロイン美彌子が誰を好きだったのかを延々と語り尽くすものでした。「最初の学説では三四郎だったが、最新の学説では野々宮さん」…いやいや100年近くなにやってんの?と。でも、教授といわれる人たちは真剣に考えているのです。これが、「極める」ということなのか、と。
人が創り出す「物語」が好きです。それは本でも、映画でも、アニメでも、なんでも。人が紡ぎだすドラマにはいつだって心が躍ります。
仙台の青葉通りを抜けて青葉城に向かう途中の大橋からの光踊る広瀬川の岸辺、「こころ」の舞台を訪ねて秋葉原駅を降りて、万世橋から神田明神に、海と太陽が輝く街・藤沢、鎌倉高校前の踏切、沼津から「びゅうお」を右手に、大瀬崎からTUGUMIの土肥に。
「極める」のは先が見えませんが、物語が描かれた舞台を訪れると、物語のその先へ行けるような気もします。
君たちが紡ぐ物語を見せてください。 国語担当S