東京女子学院お宝発見!浮世絵シリーズ⑱『江戸各所百景』

「大はしあたけの夕立」 (おおはしあたけのゆうだち) ・・・ 夏 ・・・

大橋は、日本橋浜町から深川六間掘に掛かっていた橋で、現在の新大橋です。幕府がここに御用船、「安宅丸」(あたけまる)の船蔵を設けたことから、深川のこの地域が安宅とよばれました。ちなみに「安宅丸」は別名「天下丸」とも呼ばれ、徳川家光在位中に完成した軍用船。その大きさや豪華さから、富士山や東照宮にもたとえられ、江戸の名物・名所となりました。
突然振り出した夕立。雨は角度や濃さが違う2類の線で表現され、傘やむしろに容赦なく降りそそいでいます。橋の上を足早に急ぐ人々の姿は、その気持ちもあらわしているようです。

 

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