東京女子学院お宝発見!浮世絵シリーズ⑰『江戸各所百景』

「亀戸梅屋敷」 (かめいどうめやしき) ・・・  春  ・・・

梅屋敷は、8代将軍徳川吉宗が百姓喜右衛門が所有した清香庵という梅園を称賛したことで有名となりました。現在の江東区亀戸3丁目、亀戸天神の北東裏手にあたります。
近景を大きく描き、遠くを眺める広重好みの構図の代表作です。近景の梅の古木は、数色の重ねずりで、濃淡から古木の持つ質感を見事に表現しています。また、枝が横にはい、あたかも龍が伏せているような臥龍梅(がりゅうばい)は大胆な表現です。馥郁(ふくいく)たる香りで春の訪れを告げる梅、それを楽しむ人々もていねいにあらわしています。ゴッホが模写したくなるインパクトがこの絵にはあります。

 

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