東京女子学院お宝発見!浮世絵シリーズ14回目

浮世絵作品の紹介⑪
「山下白雨」

山麓が驟雨で暗く煙り、その中を稲妻が鋭く明快に画面を横切ります。山上付近はきれいに晴れ、山肌は夏山の枯れた険しい表情を見せています。
この作品は俗に、雷雲と山肌の色から「赤富士」と対比して「黒富士」と呼ばれています。また、画面の中で、雷光という一瞬と山の上と下での天候の違いから、同時に二つの顔を持つ富士山の壮大さも表しています。もしかしたら富士山を通して私たちに物事の二面性を示しているのかもしれません。

 

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