東京女子学院お宝発見!浮世絵シリーズ 10回目

浮世絵作品の紹介⑧
「浅草金竜山」

 外国人観光客に人気の浅草寺。とくに雷門は、日本一大きな提灯が目印となり、入れ替わり写真を撮る人の姿を目にします。当時の提灯は、新橋の職人が手がけ、奉納したことから「しん橋」と書かれていました。現在の朱色と違い、明るい橙色なのは他の建物との区別のためか、実際にこの色だったのか、理由の真偽はわかりませんが、初刷りではこの美しい色が使われたのだと想像されます。
 見どころは白い雪の表現です。空摺りや雲母摺りがほどこされ、雪の柔らかさや立体感を巧みに表現しています。画面は現在の雷門から仲見世通り。宝蔵門、五重塔が描かれ、左に伝法院の木々、右に仲見世があります。五重塔がかつて東にあり現在の位置とは違うこともわかります。版画の楽しさを味わうことができる作品です。

今回紹介した4点の作品は校舎1階エントランス近くに展示中です。学校説明会でご来校の際には、ぜひともご覧ください。

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