東京女子学院お宝発見!浮世絵シリーズ 6回目

浮世絵で下町を散策してみませんか  ~シリーズ第2章(通算No.6)

 歌川広重が上野・浅草などの繁華地を描いた作品(「名所江戸百景」)から春夏秋冬各1点の4図を展示しました。
 四季の変化は言うまでもなく日本人の感性に大きな影響を与えており、広重の浮世絵には単なる場所だけでなく、移り変わる季節の美しさが表現されています。ご来校の際にご覧ください。
 『名所江戸百景』のシリーズは広重が晩年、安政3年に制作した連作で、多色刷りの技術も高まり、風景画としての完成度が高い作品です。出版の前年、安政2年に江戸は大きな地震と火災により甚大な被害を受けました。被災した江戸の変化を目の当たりにして広重は何を思ったでしょう?108枚におよぶ連作には、美しさとともに江戸市中や、多くの人々を偲ぶ気持ちが込められていたかもしれません。シリーズ刊行と同時に広重は剃髪しました。ちなみに108の数字は、煩悩の数と同じですが、1年の移り変わりを示す12ヶ月と二十四節気・七十二候の合計です。
 画面に刷られた画題は、複数の地名や言葉を並べたものが多く、言葉の間に「の」「より」「と」「を望む」などを補うと分かりやすくなります。

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