東京女子学院お宝発見!浮世絵シリーズ3回目

浮世絵作品の紹介②

「凱風快晴」
 この作品は「赤富士」と呼ばれ、シリーズ代表作として親しまれている作品です。「凱風」とは初夏に吹くそよ風の意味です。晴れた夏の早朝に太陽の光を浴びて全山が茜色にそまることがあり、その現象を「赤富士」と呼び、この作品に表現されています。「ぼかし」などの摺師の高度な技術が発揮されて、この作品は成立します。富士山のシンプルで美しいフォルム、白い雪、幾重にも重なる鱗雲、紺碧の空といった明快さがこのシリーズでの最高傑作という評価につながっています。また、茜色は日本の伝統色で、鳥居などにも用いられている朱色と同じように、穢れを取り除いてくれると考えられ、この作品は魔よけになると、言われています。

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