
昨日(12月23日)は、(たぶん)公立小中学校の第2学期終業式であったと思います。本来25日ですが、今年は日曜日、24日も土曜日ですので…。本校では、練馬区立大泉中学校コーラス部とコラボしクリスマスコンサート(合唱)を行いました。大泉中の生徒たちをみていて、2学期を終えた安ど感と“高校”で初めて歌う緊張感の両方が表情や歌声に現れていてすてきだな、と思いました。私立の学校は、公立の学校に比して、(20日終業式)2学期は少し早く終わります。そのあと講習会や補習があるからです。
1年のうちで一番長い2学期も、あっという間に終わってしまった感あり。なぜなら学校行事を少しずつコロナ前にもどしてその都度それを成功させるために生徒たちが頑張ったこと、そして土日ごとの学校説明会の準備があったためなのだと思います。そして気づいてみたら、私のブログも(昨年同様)夏休み明けの最初で挙げたっきりとなってしまいました。しかし、学校行事や学校説明会では、もちろんいろいろな話を用意していました。特に学校説明会では、受験生への激励をしてきたつもりです。今ブログは、終業式の話とともに、学校説明会での話を掲載いたします。もしお時間がありましたら前文お読みくださるとありがたいです。申し訳ありませんが、とても根気がいります。
令和4年度第2学期終業式
皆さんごきげんよう。長かった2学期でしたね。この後通知表をもらって2学期が終わりの人もいると思いますが、一方で講習や補習を受ける人もいますね。また寒い中ですが部活動で頑張る人もいます。いずれにしても皆さんの成長する機会はまだまだたくさんあります。意欲をもって取り組んでください。
今日は、冬休みに考えてほしいことについて話をします。冬休みって、おうちの人たちと、または自分自身で将来のことについて考える機会があるからです。それぞれの学年なりに具体的に考える違いはあると思いますが、「職業」についての一理論を紹介します。
皆さん、実は、「コロナ」の前はほとんどの中学校で「職場体験」をやっていました。高校2・3年の皆さんは、たぶん「職場体験」で“保育園で可愛い園児たちにお姉さんとよばれてうれしかった”とか“スーパーの商品展示の仕方が難しかった”等と貴重な体験をしていると思います。高1以下の皆さんは、残念ながらそのような経験は学校の活動としてはしていません。
ところで皆さん。この世の中には2万種類の職業があるといわれています。その多くの種類の「職業」の特徴を6つに分類した人がいます。アメリカのホランドさんという人です。このように分けました。
R | Realistic | 現実的 |
I | Investigative | 研究的 |
A | Artistic | 芸術的 |
S | Social | 社会的 |
E | Enterprising | 企業的 |
C | Conventional | 慣習的 |
頭文字を縦に読んでいくとRIASEC(リアセック)と言います。図式をすると六角形、このようになります。
しかも、その分類の要素を対立軸で表すとよりよく分かります。
さらに皆さん、具体的な職業の種類を挙げてみるとより分かりやすいと思います。例えば…
R | コンピュター技術者 | パティシエ |
I | 医師・薬剤師 | ゲームクリエイター |
A | ダンサー | イラストレーター |
S | 看護師 | キャビンアテンダント |
E | 新聞記者 | ウエディングプランナー |
C | 税理士 | 航空管制官 |
皆さん、冬休みは短いですが、改めて自分の将来のことについて少し深く考えるよい機会だと思います。中学1年生は、小学生だった時の“あこがれ”の職業だったものを、高校3年生は自分の特性をしっかり自覚したうえでどのような分野が自分に合っているかなど、理論的な裏付けがあっての職業選択という考え方もよいと思います。そして、そのことが自分自身の職業的生き方を決定づけるきっかけになってもよいと思います。
生徒の皆さん、それぞれが有意義な冬休みになりますよう願っています。
以上で2学期終業式の話とします。
7月30日オープンスクール(OS)挨拶 校長 野口潔人
「わたしたち」がよりよく変える
突然の話。私は、「みんな」といういい方をあまり積極的に使おうとはしません。例えば「みんな、頑張ろう!」といわれた時、「みんな」って誰?って聞き返したくなってしまうからなのです。小さな子どもがよく「み~んなが○○もってる。だから私にも買って~」と親におねだり。「みんなってだれ?」「□さんと△さんと…」「え? 君は、み~んなといったけど、もっていない人の方が多いのでは?」というわけです。「み~んな」ということばの解釈は、ずいぶんあいまいです。一方、(これもいきなりの話ですが)「わたしたち」という表現には、主体性があります。「わたしたち」って素敵な言葉だと思います。必ず「わたし」が入るからです。
よりよい学校づくりは「みんな」が、ではなく「わたしたち」が、していくのです。制服がリニューアルされ、(といっても、そのことを知っているのは高校3年一貫生だけですが…)校舎の様々な箇所がリノベーションされ、施設は整いました。もちろん、今までも本校の教育活動は様々に特色をもって実践されてきました。しかし、今改めて、「これからはよりいっそう特色を出し、さらなる教育活動の充実を期さなければならない」(職員会議での発言)と思うわけです。その方向性のベースとなることが、やはり学校としての向上心と生徒の元気だと思います。そう向上心と元気で学校をよりよく変えていきたいのです。本校にかかわるすべての「私」の集合体、つまり「わたしたち」の向上心と元気です。生きることに思い悩む、前に進むことに不安をもつ思春期世代の“ことな”(大人と子どもの間の意味)たちに対して、“大人”がしっかり寄り添っていくこと、そして進路選択をより広くするためにより一層の学力向上を図っていくこと。これらが目に見える形で示すことができれば、制服や校舎のリニューアルに勝る本校がより新しい姿になる、私はそう確信しています。
今、受験生のための「学校説明会」が土・日で行われています。「わたしたち」が広報委員として協力してくれます。数年前まで、生徒たちが受験生のご家族を校内ツアーで“ご案内”するなど考えられませんでした。アンケートには、「生徒の皆さんが素敵な方ばかりで何より一番好感がもてました。楽しい時間を…」このような記載が毎回複数件あります。・・・うれしい限りです。
オープンスクール挨拶(令和4年8月27・28日) 校長 野 口 潔 人
児童・生徒の皆さん皆さん、そして保護者の皆様、こんにちは。ようこそ、東京女子学院のオープンスクールに足を運んでくださいました。ありがとうございます。本日、明日と2日連続での開催となります。
改めまして・・・(自己紹介)
私はこちらに来まして5年目を迎えます。こちらに来る前は、公立中学校に勤めていました。
今日は、皆さん。本校でも9月1日から始まる2学期の始業式で話をすることを、在校生に先駆けて皆さんにお話ししてしまいますね。
さて、簡単なクイズです。
オープンスクールの挨拶で“クイズ”を出すのも私ぐらいしかいないでしょうが・・お付き合いくださいね。
はい、「今」と「ら」の間に“ひらがな”を1文字入れて、意味が通じる文節はいくつできますか、また、その“ひらがな”は何でしょう。30秒自分で考え、もう30秒ご家族の方と確認してください。
そう、3っつで、「さ」「な」「か」です。それ以外のひらがなは入れても文節になりません。さて、このどれかを入れて、文章を思い浮かべてください。どうぞ!
①今さら →遅い・間に合わない ②今なら →(まだ)間に合う・大丈夫 ③今から →がんばろう・やってみよう |
皆さん、いよいよ進路決定の2学期を迎えますね。1学期、そして夏休み、学習や日々の生活の中で、また人間関係の中で、困ったことや様々な課題があったかと思います。
例えば、「なかなか集中が出来なくて学習が進まない」「自分のめざしたい進路がまだ決まらない」等など。それを克服したり乗り越えなければならないなら、ポジティブな思いや意欲的になろうとしたら、きっと、②と③でしょう。
そして、このような気持ちになるには、どうすればよいのでしょう…今日私は、さらにみっつのキーワードを紹介しましょう。
それは「勇気courage」と「覚悟resolution」そして「決断decision」です。つまり、「今までのようでは(これでは)いけないな・・・」と思ったら、・・・これから変えたいな・・と思ったら、「勇気」をもち「覚悟」を決めて、そして「決断」するのです。
「今」と「ら」の間に「さ」を入れた人・・・つまり「今さら」と答えた人、このことばは「何も発展性のない」はないことばです。
「な」や「か」を入れた人・・・つまり「今なら」「今から」と答えた人・・・引き続き、「ポジティブシンキング」を継続しましょうね。そして、そのポジティブシンキングが、皆さんをより一層成長させていくのだと思います。
皆さん、2学期です。何かにネガティブな思いにならず、「さ」ではなく、「な」と「か」で乗り切りましょう。これが本校の生徒たちに始業式で話す内容です。受験生の皆さんもぜひ参考にしてください。(でも、もう今日この話をしてしまったので、在校の皆さんには、9月1日はたぶん違う話をすると思います。)あと、少しの時間で、本校の生徒たちの様子と生活ぶりを話題にしますね。
令和5年度受験学校説明会(041008)校長 野口 潔人
皆さん、こんにちは。ようこそ皆さん。(自己紹介)
本題に入る前に…
1 酒井ギャラリーでの企画の話。
2 (夏休みからのオープンスクールで、挨拶の中で話したテーマについて紹介。)そのあとで、本日の話。
「ロールモデル」について。
本日は、昨年度在校の生徒たちに話したことを受験生向きに話をします。生徒たちに紹介したい新聞記事のひとつに、「山口絵理子」さんのことが出てきました。「 M H 」というバックの会社を24歳で創業した方です。皆さん、このバックの会社は知っていますか?
ちょうど今、皆さんの学校でも「SDGs」ついて学んでいるのではないのでしょうか。彼女は「SDGs」が叫ばれるずいぶん前から、「発展途上国から世界に通用する“ブランド”をつくる」ことや「人や国の不平等をなくそう」とすること、そして「大きな物差しだけで豊かさを測らず、いろいろな尺度で、自分らしく生きられる社会がダイバーシティにつながる」と山口さんは訴えてきています
私は先ほど、「ロールモデル」といいましたが、ロールモデル(の意味)とは何でしょう?
・・・ロールモデルとは、具体的な行動や考えを学習したり真似をしたりする対象となる人物のことです。ロールモデルは「role(役割・役目)」「model(見本)」という英語が語源です。
ロールモデルは、高いスキルを持ち、リーダーシップを発揮している人物のことを、そのように言いますが、いわば、「あこがれの人」「お手本の人」のことですね。
皆さんのように若く多感な時期に、自分自身にとってのロールモデルを見つけてほしい、身近な人であればなおさら良い。なぜなら、君自身がロールモデルをもつことで得られる大きな効果があるからです。
例えば、憧れるロールモデルがいれば、その人物を目標として習得するべきスキルや経験が明確にイメージできます。その人の考え方や仕事の仕方を学習しようとしてコミュニケーションの活性化や能力向上が期待できます。そして、自分自身もロールモデルになることを意識するようになると、様々なことに積極的に行うようになるため、組織(例えば学級・部活動)の活性化につながります。
さて、皆さん、「ロールモデル」は、単に「あこがれの人」ではいけませんね。私は、「今は、その人のようにはなることはできないけれど、その人のような素敵な人になりたいという目標の人」であるし、見た目の素敵さではない、その人の考え方や取り組むべき方向性までを考えて「あこがれの人」を見つけてほしい。そのように思っています。
そのようなロールモデルを、本校の中で見出してほしいのです。そのような先輩が、たくさんいるのです。
学校説明会挨拶(041030)校長 野口 潔 人
皆さん、こんにちは。中学校では修学旅行や合唱祭など大方の行事が終わっていよいよ進路決定に向いている頃でしょうか。小学校はこれから学芸会や展覧会の準備になるころですね。そのような、様々においそがしい中での本校学校説明会への参加、本当にありがとうございます。
改めまして(自己紹介)
オープンスクール・学校説明会では私の挨拶の中で様々な話をさせていただきました。今年度は
(1)「Well-Being」の話からはじまり、
(2)「今さら・今から・今なら」の話、
(3)「出会い」についての話…
(4)「ロールモデル」について
いろいろしました。本日始めていらした皆様、ぜひ、これらのプリント(黄色・緑色・桃色・空色)をお持ちになってお帰りくださいね。
今日は皆さん、これから在校生に話をすることを皆さんに伝えたいこととして用意しました。ある教育情報紙の中の記事として載っていたものです。
それは、お笑いタレント、ハナコ・岡部大さん
「バスケに没頭して成績低迷。猛烈な勉強で巻き返す」
という見出しで、高校生活と大学受験での彼がいかに頑張ったか、という内容でした。
そもそも、皆さん。岡部大さんって知っていますか?私は、お笑いタレントでバラエティー番組に出ているようですが、「転職」関係のCMの方が私は印象深いのですが…。記事によりますと、岡部さんは教育県秋田県の有名公立進学校「秋田高校」時代はとにかく部活動に熱中して受験勉強はしなかった。部活を夏に引退し、勉強モードに切り替えて大学をめざしたそうです。
インタビュアーの「相当ハードだったのですね」の質問に対し、「一日中、寝るときと食事の時以外は10時間以上机に向かっていたと思います」と答えています。そして
「あのときほど頑張った経験はありません。いまだに受験勉強の夢を見るんですよ。」「もう間に合わない!」って。だからいまもプレッシャーに追われながら何かを仕上げることが怖くない。大学の卒論は血尿を出しながら3日で書き上げましたし、今も単独ライブの前日に「ネタが足りない!」と秋山(秋山寛貴さん)と一晩で二つコントを作ることもある。あのときあそこで頑張れたから、いまがあるんだと思います。
皆さん、ズバリ!岡部さんのように「あのときほど頑張った経験はありません。」といえることが、今皆さんにはありますか?もしあったとすれば、それは大変幸せですね。もし、なかったとすれば、皆さん、本校で皆さんなりの“あのとき”をつくってください。もちろん「受験勉強」でなくてもいいのです。私たち、東京女子学院は、皆さんが頑張るに値する場を、チャンスを提供したい。そして皆さんと一緒に頑張りたい。そう思っています。
多くの大人は、岡部さんのように「あのときあそこで頑張れたから、いまがあるんだ」という“その時”と“その場”を思い出すことができます。受験生の皆さんも、何年かたってのち、「あのときあそこで頑張れたから、いまがあるんだ」と心の中で確認できる経験値をもってほしいと思います。