「富士山キャンプ」宿舎近くから夕方撮った富士山です。三日間、晴天で神々しい芙蓉峰を堪能できました。 「富士山キャンプ」宿舎近くから夕方撮った富士山です。三日間、晴天で神々しい芙蓉峰を堪能できました。

 皆さんごきげんよう。久しぶりのホームページupとなりました。

私は、ブログを書くたびに、ほぼ毎回季節に咲く花を話題にしていました。前回は「ハナミズキ」の可愛さを、そして次回は「“つつじの蜜は甘い”」などと書こうと思ったら、何と6月、梅雨のもうアジサイの花が大きくなりはじめていますね。6月になります。そろそろ梅雨ですね。

 さて、今回のブログ…ひとつ目は年度当初の宿泊行事についてです。「高3修学旅行」「オリエンテーションキャンプ」(中高)のことと、もう一つは、ちょっと嬉しい話を載せさせていただきます。

 コロナの関係で延期となっていた「髙3修学旅行」は、思い切って4月12日~3泊4日で沖縄に行ってきました。詳細は本校ホームページで紹介されていますのでご覧ください。私からは、しおりの一部を紹介しておきたいと思います。世界で戦争や紛争が起きているこの時期、そして何といっても“本土復帰”50周年にあたる今年度に現地を訪れるのは本当に意義あることでした。以下しおりの冒頭に示した一部です。

沖縄は、日本でありながら地理的にも歴史的にも本当に独特な“歩み”をしています。過の戦争で「空襲」だけではなく「地上戦」を強いられた唯一の地であることもそのひとつです。戦争の悲惨さや平和への希求を、改めて感じ考えなければならない旅行でもありたいと思うのです。

そう、皆さん、「沖縄をひとことで表現したら?」と質問されたら迷わず「むりです」といえる旅にしてくださいね。そして皆さん、「では、なぜ沖縄?」を「学校で決めた」という答え以外を期待しています。「ひとこと」では表せない沖縄の旅を期待しています。

 

 「オリエンテーションキャンプ」は中学1年生と高校1年生、つまり本校に入学して初めての宿泊を伴う行事です。昨年度までは、同日程同じ場所で一緒に実施していました。一緒に行くことで、「オリエンテーリング(地図上に指定されたいくつかの地点(ポスト)を地図と磁石を用いて発見・通過し,できるだけ短時間でゴールまで到達することを競う競技)」などは、「高校生が中学生の面倒を見る、中学生は高校生に頑張ってついていく」といった教育効果がありました。しかし、今年度より、本校も少しずつ大所帯になり、いわば細かい動きをすることができなくなり、中高別々で宿泊行事を実施いくことにしました。

 高校生は、4月27日~2泊3日で主に①高校の学習生活の理解②集団生活の基本とクラスの親睦を目的に千葉県鴨川に行きました。いうまでもないことですが、やはり義務教育としての中学校と高校とは根本的に違います。そのことを年度当初にしっかりガイダンスすることは受け入れた学校としてのミッションです。“単位取得”のことや職業選択を身近にしていくための進路選択等はしっかりと話し、高校生活の学習意欲を高めてほしい、そのように思うのです。もちろん、せっかく鴨川に行ったのですから、「シーワールド」でひと時のお楽しみもありました。明日からの高校の学習生活につながる、大変有意義な3日間でした。

 中学生は、恒例の山梨県「富士山キャンプ」に行ってきました。5月23日~2泊3日、机上の学習というよりも、校外での体験を重視、3日間よく歩き、よく楽しみました。1日目緑の休暇村を「オリエンテーリング」、2日目富士山御中道めぐりと富士芝さくら、3日目 本校では初の西湖カヤック体験(午前中)、午後は山梨リニア見学センターへいき帰校しました。3日間ともアクティブでワクワクする活動でした。小学校の時に、「コロナ」の関係で、宿泊行事が中止・縮小になった生徒もいたようですが、中学校に来て元気に生活できたことは本当によかったと思います。そう、何よりも、コロナの終息が見えない中、しゃべり声はおろか、箸の音さえ聞こえない徹底した「黙食」は素晴らしいと思いました。

 

 さて、もう一つのちょっと(私にとって)うれしい話題・・です。

 昨年度末、私は、高校生の卒業式の式辞で、国境なき医師団で医療活動を行っている白川優子さんという方とそのお母さまのことを挙げ、卒業生に「素敵な若きレディをめざそう」と話しました。

 式後、勝手に白川さんの話をしたことをお手紙で報告しました。(念のために…新聞記事と自分で購入した本を活用させていただいたのですから、著作権上の問題はないと思いますが、やはり勝手に話題にすることはよいこととはいえないと思いましたので…)そうしたら、お手紙を返してくださったのです。私は、毎年卒業する生徒や保護者の方々に、少しでも心に残り次の“ステージ”で自分らしく生き生きと生活を送ってほしい、と思って推敲を重ね卒業式に臨んでいます。式辞に出させていただいた方からお礼のお手紙をいただけるなんて、こんなにうれしいことはめったになく、これまた勝手ですが私の思いを皆様に共有していただきたく、(せっかくですので)お手紙の内容をブログで紹介させていただきます。以下、お手紙の内容です。(全文です)

東京女子学院中学校高等学院

野口潔人 校長先生

 

国境なき医師団看護師の白川です。

この度は、大変嬉しいお手紙をどうもありがとうございました。

お返事が遅くなってしまい、大変失礼いたしました。

 

女性としての品質を重んじる貴校の高校生の卒業式の式辞に、私のことなどを取り上げ

て下さったなんて、とても恥ずかしいと思いながら、それでも同封して下さった式辞を

読ませて頂きながら感動致しました。

 

そして、国境なき医師団に毎月ご寄付をして下さっているとのこと、本当に感謝致しま

す。温かいお気持ちのこもったそのご寄付は、必ず医療を待つ人々のために大切に使わ

せて頂きます。実は、4月26日に、私の第2作、「紛争地のポートレート」を刊行致し

ました。今回は医療現場の最前線ではなく、私が紛争地で出会った人々や暮らしにフォ

ーカスして書きました。戦争の怖さや悲しみそのものを書こうと思ったらいくらでも書

けます。しかし、戦争を取り巻く情景を、その場で生きている人々やその暮らしにフォ

ーカスして書くことで戦争はやはりいけないのだ、というメッセージが立体となって伝

わると信じています。謹呈させて頂きますのでお時間のあるときにご一読いただければ

幸いです。

今回、野口先生からお手紙を頂いたことをきっかけに、私は果たして「素敵なレディ」

と自信をもって言えるのだろうかと、立ち止まって自分を見直す良い機会にもなりまし

た。これからも決して奢り高ぶることなく、貴校の生徒さん達に負けないよう、素敵な

レディを目指して自分を磨き続けていきたいと思います。

 

連休が終わり忙しい時期かと思いますが、どうぞご自愛くださいませ。

東京女子学院様のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます

国境なき医師団

白川優子