
ハナミズキってとてもかわいい花ですね。私は大好きです。何本も並んで咲くこの木がすべて満開になるころには天候も安定し、コロナも収束されるよよいのですが・・・。
今回の高校の入学式での式辞は、「朗読」と様々な「音楽」のコラボでコンサートを実施している「泉田洋子さん」という本校の卒業生(昭和の終わりころ)のことを取り上げさせていただきました。
泉田さんからの祝辞も一緒に掲載させていただきます。
式 辞(令和4年4月7日 午後)
グラウンドや敷地内の多くの箇所で様々な花が咲いています。散りゆく桜やこぶしの花もあれば、これから可愛い花が咲くハナミズキもあります。そう、この時期こそと・・・。そして、学校や社会全体が気持ちを新たにできる季節が廻ってきました。
高校新1年生の皆さん、そして保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。また、PTA会長 ○○ 様には公私ご多用のところ、ご臨席賜り誠にありがとうございます。物心両面にわたるご協力・ご援助に対し心より御礼申し上げます。
さて、新1年生の皆さん、今日は、入学式にあたって、ある先輩を紹介します。
泉田洋子さん・・・今、ご自身のライフワークとして、地道な“朗読活動”を続け、クラシック音楽やジャズなど幅広い音楽家とのコラボを通してコンサートを実施、絵本の朗読、視覚障害の方への朗読の指導も行っています。実は、講師として本校に勤務されたこともある方です。先日、私はこの方にお会いしてお話を伺いました。
最初に、「この東京女子学院での3年間の生活が、泉田さんにとって、地道に取り組んでいらっしゃる“朗読”というものに、どのように結びつきましたか?と尋ねました。
泉田さんは「お芝居や映画を鑑賞し、絵画や音楽など芸術が大好きだった高校時代、その“大好き”を保ちながら、より自分自身のよさを生かせる道をめざした。芸術学科に入り、文学座で「音楽は語り、セリフは謡うように」という指導をうけ、自分しかもちえない自分の声を生かすことが人生の取組になった。」と答えてくださいました。
さらに、私は、「高等学校での3年間の中で、自分らしさを発揮できて、「母校愛」につながるエピソードがあればお聞かせ願いませんか?と申し上げました。
泉田さんは、「特別なエピソードは思い出せないが、毎日が思い出の連続だったかもしれない。そしていくつになってもオープンマインドの付き合いができる友達が生涯の財産になっている。」「時には厳しく指導をうけても、それが卒業してから素直によい高校であったと思えるようになった。」と仰ってくださいました。
新入生の皆さん。今回は、一人の先輩を例に挙げましたが、多くの先輩たちが同じような学校生活を送り、希望の進路をめざしたのではないか。そこには「自分らしさ」の自覚と、「社会の一員としての貢献」している、ということを、私は泉田さんを通して知ることができた。お話を伺って本当によかったと思いました。
保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。今日からお嬢様の高校生活が始まります。高校生活…まずは学習生活、学習を極めることが何より大事です。その自覚をお嬢様の一人ひとりがもてるよう、皆様と学校が思いを共有させていただきたいと思っております。一方で、我が子は我が親の生き方を冷静に見習っていく時期でもあります。大きくいえば、思春期の若者に、大人として一番身近な教師や保護者が「どのように生き生きと生きていくか?」について、ことばではなく、背中で見せる時期でもあると思います。学校とご家庭が「子どもの健全な成長」という同じ目標をもち、ご家庭でのサポートをお願いいたします。
新1年生の皆さん…。
今、改めて皆さんに伝えたい。この伝統ある「東京女子学院」では、先ほど紹介した泉田さんのような「青春期の様々な学びや出会いを通して、自分らしさに少しずつ自信をもち、社会で貢献していく」人たちによって本校はつながれていっているのです。「他人(ひと)の笑顔や喜びが我が事のようになれる」「自分と自分以外の誰かがうれしくなる」それがすなわち自分自身の(大きくいえば)人生観や生活感になる、そのような一日一日が自分らしい未来につながる3年間であってほしい。切にそう願いのです。
Create your own future.
グラウンドのそこここに咲く様々な花のように、この校舎の中でも日々「自分らしさ」という一人ひとりの花を咲かせてほしい、そう思います。
新1年生の皆さん、生き生きと生活していきましょう。こころや身体を鍛えていきましょう。
そして、新1年生の皆さん、一緒にがんばりましょう。
すべての生徒の、生き生きとした毎日の取組の充実を願って、私の式辞といたします。
令和4年4月7日
東京女子学院高等学校
校長 野口潔人

泉田さんから、ご祝辞をメールでくださいました。併せて載せさせていただきます。
本日は、おめでとうございます。我が母校、東京女子学院にご入学された可愛い後輩たちを、心から O Bとして祝福致します。
暗いニュースばかりの世の中ですが、
坂を上り、東京女子学院の門をくぐると、
そこは、いつでも、どんな時も、
平和で、友との笑い声が響き渡り、
未来に向けて、自由に沢山の学びが出来る
桃源郷のような聖地です。
そして、ここでの豊かに過ごした時間が、
自分自身の血となり肉となり、
日本の、世界の、
明るい未来を創っていく人となりますように、
心からお祈り申し上げます。
祝辞 O B 泉田 洋子