浮世絵作品の紹介⑤
「上野清水堂不忍ノ池」

 明治のはじめ、上野戦争で堂宇のほとんどが焼失した寛永寺。画面の中央にせり出た建物は奇跡的にその焼失を免れた清水観音堂の舞台です。舞台で有名な京都の清水寺を模してつくられました。
 現在の上野公園全域は、かつて徳川家の加護により天海和尚が寛永寺の寺領を利用してつくりあげたテーマパークでした。そのため舞台から眺めている不忍池も琵琶湖になぞらえたもので、中島には竹生島に倣った弁天堂もあります。また、この地域は江戸一番の桜の名所でもあり、画面ではちょうど満開の春を華やかに描いています。また、画面左の丸くねじれた松は「月も松」と呼ばれた有名な松で、現在は「ぐるぐる松」とも呼ばれ、舞台の下に再現されています。広重は他の浮世絵でも「月の松」を描いており、お気に入りだったように思われます。
 簡単に京都へ旅できなかった時代、京都旅行を疑似体験できるそんな場所をつくってしまう発想や力に驚かされます。

 

6日(水)は11月最初の講堂朝礼。生徒指導部長の稲葉が“多様性”をキーワードに講話をしました。引続き、1校時に「地震、その後の火災」を想定した避難訓練を行いました。本校では様々な災害に対して、生徒全員が迅速で的確な身を守る行動がとれるよう、日頃から十分な備えと指導をしています。

ブルーミングルーム
(進路指導室) ブルーミングルーム
(進路指導室)

11月がスタートしました。朝夕の冷込みに冬の訪れを感じる今日この頃です。11月は旧暦の表記で「霜月」。霜が降り出す月という意味です。旧暦では冬至を含む月になります。
芙蓉祭(文化祭)、体育祭という秋の大きな行事も終わり、今月はじっくりと学習に取り組む時期。指定校をはじめとする大学の推薦入試もピークを迎えます。校内でも明日2日は進路講演会が企画されています。自分自身の「いま」を見つめ、「これから」をじっくりと考える機会にしてほしいと思います。