「みんな?」「わたしたち?」…「あなたたち」

FC(フードカルチャ)ーコースの実習。奥多摩から取り寄せたルバーブを調理してジャムづくり。本校FCコースは、常にSDGsを意識した食文化を実体験しています。(本文とは直接関係ありません) FC(フードカルチャ)ーコースの実習。奥多摩から取り寄せたルバーブを調理してジャムづくり。本校FCコースは、常にSDGsを意識した食文化を実体験しています。(本文とは直接関係ありません)

皆さん、ごきげんよう。久しぶりのブログ更新になります。
いよいよ令和5年度受験準備スタートということになりました。本校は、先日、1学期初めて高校受験の説明会を実施、多くの皆さんにご来校くださいました。そこで、受験生とその保護者向きに挨拶をさせていただきました。以下の文章はその原稿です。実は、PTA関係の広報誌に載せる文章でしたが、その原稿を作っているうちに、ぜひ最後に付け加えたかった一文を加えて紹介します。その一文はこのようなものです。

『今、私が読んだ文章の「わたしたち」を「あなたたち」に置き換えてください。』

 

そして、読み上げた私の文章は以下です。

本日、学校説明会、ようこそ東京女子学院へ 校長 野 口 潔 人

「わたしたち」がよりよく変える
 突然の話。私は、「みんな」といういい方をあまり積極的に使おうとはしません。例えば「みんな、頑張ろう!」といわれた時、「みんな」って誰?って聞き返したくなってしまうからなのです。小さな子どもがよく「み~んなが○○もってる。だから私にも買って~」と親におねだり。「みんなってだれ?」「□さんと△さんと…」「え? 君は、み~んなといったけど、もっていない人の方が多いのでは?」というわけです。「み~んな」ということばの解釈は、ずいぶんあいまいです。一方、(これもいきなりの話ですが)「わたしたち」という表現には、主体性があります。「わたしたち」って素敵な言葉だと思います。必ず「わたし」が入るからです。
 よりよい学校づくりは「みんな」が、ではなく「わたしたち」が、していくのです。制服がリニューアルされ、(といっても、そのことを知っているのは高校3年一貫生だけですが…)校舎の様々な箇所がリノベーションされ、施設は整いました。もちろん、今までも本校の教育活動は様々に特色をもって実践されてきました。しかし、今改めて、「これからはよりいっそう特色を出し、さらなる教育活動の充実を期さなければならない」(職員会議での発言)と思うわけです。その方向性のベースとなることが、やはり学校としての向上心と生徒の元気だと思います。そう向上心と元気で学校をよりよく変えていきたいのです。本校にかかわるすべての「私」の集合体、つまり「わたしたち」の向上心と元気です。生きることに思い悩む、前に進むことに不安をもつ思春期世代の“ことな”(大人と子どもの間の意味)たちに対して、“大人”がしっかり寄り添っていくこと、そして進路選択をより広くするためにより一層の学力向上を図っていくこと。これらが目に見える形で示すことができれば、制服や校舎のリニューアルに勝る本校がより新しい姿になる、私はそう確信しています。
 今、受験生のための「学校説明会」が土・日で行われています。「わたしたち」が広報委員として協力してくれます。数年前まで、生徒たちが受験生のご家族を校内ツアーで“ご案内”するなど考えられませんでした。アンケートには、「生徒の皆さんが素敵な方ばかりで何より一番好感がもてました。楽しい時間を…」このような記載が毎回複数件あります。・・・うれしい限りです。

 

一覧へ戻る