クエストエデュケーションって…「探求学習」について

ある班の発表シーン…上手に撮れませんでした。ごめんなさい。 ある班の発表シーン…上手に撮れませんでした。ごめんなさい。

皆さんご機嫌よう。なんと1か月ぶりの更新になってしまいました。今回は、最近の高校でちょっと面白そうな授業をしていたのでそれを紹介させていただきますね。

クエストエデュケーション(Quest Education)について
(昨年度担当していた教諭にどの様な授業かを説明してもらった文章です。)
クエストエデュケーション(以下、クエスト)は「 (株)教育と探求社 」が提供する職業探求型プログラムです。クエストは、高校2年生の「職業探求」の授業内で行っています。
 クエストには実際に私たちがよく知る有名企業が登場します。生徒はその中から興味がある企業を1社選び、そこの社員として働きます。教室内でいくつかの会社ができて、インターンシップを行うのです。実際の企業に勤めている社員から、“ミッション”と呼ばれる仕事を受け取ることになります。ミッションには答えがありません。答えのない課題に向かって、グループ内で議論を交わしながら、自分たちの考えをかたちにして発表します。学校という枠を超えて、企業や世界に目を向けて、未知なる課題に立ち向かっていきます。業界研究・市場調査・企画立案・プレゼンテーションと社会人さながらの体験をしながら、探求学習を進めていくのです。
同じ企業のメンバーと協力したり、ときにはコミュニケーションがうまくいかずに反発しあったりしながら、仕事への取り組み方や仕事をするうえで大切なことなども自然に身についていくのもクエストの特徴です。また、クエストは他の授業とは一線を画すために以下の3つのルールの下で行います。
●他人の意見を否定しない ●自分の意見を否定しない ●失敗を恐れず全力で楽しむ
皆さんも答えのない課題に挑戦してみませんか。探求学習を楽しみましょう。

7月某日の5・6時間目、“3密”を解消できる芙蓉ヶ丘講堂にて、この授業での最初の時期の生徒たちによるプレゼンテーションが行われました。私は、中学校で「キャリア教育」を推進してきたと自負するものとして、これらの類の“探究学習”は通常の国語や数学の授業と同じ様にこれからの社会の中で生きる力を培う授業として積極的に取り入れるべきと考えていました。しかも、「自分の考えをもち、それをきちんと人前で伝えることができる」という本校(だけではありませんが)の生徒の課題に少しでもアプローチするには、この取組は効果の高いものになると思いました。さらにいえば、参加する企業の側からすると教育を通しての小さな社会貢献(CRS)と広報活動にもなることわけで、直接間接のその企業に発展にもつながっていくのです。
さて、生徒たちのプレゼンは、まずは取り組みたい企業を選んで、どのような活動をしているかを紹介する内容でした。大きな講堂で、隣り合わせがずいぶん距離のある“劇場”の感じで、1班ずつ前に出てきてのプレゼンでした。普段は、気軽にコミュニケーションが取れるのに、発表となるとちがうのでしょうか数分間の緊張ではありましたが、大方の説明はできました。
 全部の班が終わった段階で、担当の先生に私から話をしたいとお願いしたところ、OKが出ましたので、少し話をしました。その内容は…。
(1)皆さんの課題は、「表現力」を磨くこと。その意味ではとてもよい取組である。(2)ただしゃべるのではなく「伝えたい」という思いをもち、それをしゃべり方に抑揚などをつけて、その企業を「おすすめ」してほしい。そうでないと伝わらない。(3)皆さんが紹介した企業(テレビ東京・大和ハウス・吉野家ホールディングス・パナソニック・大正製薬)は、どれも創業当時のコンセプトをもち続け、一方社会の変化に対応し、企業が“生き残っていく”ために、そして発展するために、今まで手掛けてきた以外のものにも取り組んでいる。(例は省略します)(4)海外市場への進出と他企業との共同事業などを行うことも場合によってはある。(5)そして、多くの企業が環境問題など、SDGsの17の目標達成のコンセプトを、取り組む事業の中に必ず入れている。

 1年間の取組としては、初期のプレゼンでしたので、私も短い時間の参観の中でのコメント、この程度しか言えませんでした。この後、インターンしたい企業に別れ、職業探求を通して情報の収集・処理・発言の方法を実践的により深く学んでいくようになります。若い人の工夫や発想がそれぞれの企業が行っていく事業に活用されるようなことがあるとよいですね。

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