「”ミラー”のような教員でいたい」

エントランス手前、「柏葉アジサイ」の花が咲き始めました。小さい花が円錐形でとんがりながら咲いていきます。同じアジサイでもめずらしい。エントランスに入る前に、気が付いてくださったら、花も咲き甲斐がありますね。 エントランス手前、「柏葉アジサイ」の花が咲き始めました。小さい花が円錐形でとんがりながら咲いていきます。同じアジサイでもめずらしい。エントランスに入る前に、気が付いてくださったら、花も咲き甲斐がありますね。

 「本日、東京都の新たな感染者数●名、このうち感染経路の分からない方△名・・本日お亡くなりになった方□名・・・・」16時半過ぎ、ラジオやテレビの報道に、校長室で一喜一憂しながらの休校期間・・5月の最終週も半ばになりました。
 さて、この休校期間中、本校では感染予防・感染拡大を防ぐ観点から、教職員は出勤を極力控え在宅勤務とし、「担当制」の出勤、しかも時差出勤にしたり、通勤手段も「自家用車OK」にしたり等々でき得る対応をしました。一方で自宅から直接「オンライン授業」を進め、教員も生徒もずいぶんと“慣れ”てきたところです。ダンス部を始め、いくつかのクラブは「オンライン部活」で午後から自宅でトレーニング、汗びっしょり。そのような中で、25日に緊急事態宣言が解除され、本校では「休校」措置から「学校再開(開始)」への切り替えの様々な準備をしているところです。
 私の”通勤”は、といえば・・(コロナ禍前・・普段は電車通勤ですが)東京都と神奈川を隔てる多摩川近くの“狛江市”から、3市を跨ぎ練馬区の本校へ「自家用“自転車”」で50分間、上り坂あり下り坂あり、甲州街道を超え、東八道路を横切り、早朝の井の頭公園の“コロナ在宅ランナー?”を羨望の横目で見ながら、武蔵野市、吉祥寺通りのわきの信号の少ない道をスイスイと・・青梅街道を渡って・・武蔵関駅前へと健康的な毎日の通勤でした。
 「みずみずしい葉桜もなかなか見ごたえがある」⇒「花水木の可愛さも例年通り」⇒「そろそろつつじも終わり?」⇒「いたるところでバラが咲き誇る時期ですね、ヤマブキの黄色もすてき」⇒「そろそろ百日紅も?」と自転車で花を見ながら季節感をもち、今日はずいぶん蒸し暑い。もちろん、万が一にも事故を起こさぬよう、巻き込まれぬよう慎重のうえにも慎重を重ねての運転です。事故といえば、見通しのきかないところで、自分でコントロールできないスピードで運転することによる事故が多いのです。つまり、事故が起きる一番の要因は「➀見通し」「②スピード」と言っても過言ではありません。そして、一瞬の「➂不注意」が事故を引き起こしてしまうのです。これらに加えて、若者たち(だけでない)の“(スマホし)④ながら運転”での事故もよく話題になります。
 そうそう・・、一般の道路でもまた自動車が通行できるか難しそうな小道でも、見通しのきかない箇所に設置されているのが“ミラー”です。私は、頻繁に自転車に乗るようになり、改めて“ミラー”の存在について考えたのでした。「“ミラー”のような教員になりたい」と。つまり、“学習”とか“進路”という自転車に乗っている運転者(子ども=生徒)にとって、先の見えない(よくわからない)道を、不安感にさいなまれながら恐る恐る通る中で、タイミングよくそこに設置された“ミラー”があり、それに導かれ、運転者(子ども=生徒)は確信をもってギヤチェンジし、ゴールをめざして加速していく。そのように子どもを導く“ミラー”のような教員でいたい・・・、と。(ただし、子どもが“学習”とか“進路”という自転車に乗らないと、そこに設置されていても役に立たない。)
 武蔵野市の小道に入ると“ミラー”のない交差点も少なくないですね。よい場所に設置されていても、民家の木々で、実質活かされていない(隠れている)“ミラー”もあります。そのような箇所では、地面に足をつけ左右左を確認して慌てず進む。学習や進路にも、たぶん立ち止まって周りを見る時だってある。そして快適なスピードで走っているとき、とてもベストな位置に“ミラー”が設置されていることがあります。そんなときは「ミラーさんよ、ありがとう」・・・“ミラー”を“教員”や“大人”に置き換えることができたら、たぶんその人はとても素敵な“指導者”なのだと思うのです。
 書いているうちに、こんなことも思い出しました。かつて、公立学校にいた時の校内研修会でお呼びした先生が仰っていたことです。「教員(大人・親)は、自動車教習所の教習官のようになれたら良いですね。自立という免許を取得するために、子ども(教習生)はハンドルを握る。その運転に、隣にいる教習官が補助のブレーキをかけると、その教習は減点され免許を取得するまで追加の何時間もこなさなければならなず、自立という免許はなかなか取得できない。一方、子ども(教習生)任せにしていれば、自信満々な未熟者は当然事故を起こしてしまう。自動車教習所の教習官は学校の教員や家庭での子育てに似ていますね」教習官は、道路交通法とともに命がけで自身の仕事に精励しているのですね。
・・・by the way・・・
 来週から、学校が再開(開始)されます。何といっても、早く学校の“日常”を取り戻したいです。子ども(生徒)が、友達と会って表情豊かに元気な存在を確認し合ったり、マスクを取り払って合唱したり、思い切りスポーツをしたり、笑ったり泣いたり喜んだり怒ったり・・・。思春期の、あたりまえの日常を早く取り戻したい、取り戻してほしいですね。切にそう思います。コロナ禍の“禍”の字・・わざわい・・だそうです。「わざわい転じて、福(ふく)と成す」といきたい6月が、目の前です。生徒の皆さん、待っています。私は、通勤経路でウイルスを持ち込まぬよう、慎重のうえにも慎重に・・電車通勤に戻ります。
 

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