花々のステキな季節です。

写真①季節外れに雪が降っているみたいな「ヤマボウシ」 写真①季節外れに雪が降っているみたいな「ヤマボウシ」

 皆様ごきげんよう。いきなりですが皆さん、“ヤマボウシ”(写真①)という樹木をご存じでしょうか?

 ホームページ校長ブログをはじめて開けてくださった方には大変失礼かと思いますが、今回はちょっと面白い(?)エピソードを紹介してこの駄文をはじめます。
私(校長)「I先生、ハナミズキは本来4月下旬ですよね。遅ればせのハナミズキが咲いていますね。」
I先生「校長先生、あれは“ヤマボウシ”という花ですよ。よく似ているから間違えますね」
私「へ~、”ヤマボウシ“ね…。」
I先生「2階の教室から見るとステキですよ。一面に雪が降っているみたいに…」
 本校のI先生は、本校にあるすべての樹木・植物の名を知っている教員です。大げさな表現ではありません。まるで、今NHK朝ドラで放送している「牧野富太郎」(朝ドラでは槙野万太郎)のようです。私は、“テレビっ子”世代ですので、録画機能がついたテレビを購入以来、ず~ッと録画したものを毎日”夜“見ています。そう、牧野富太郎さんは、94歳で亡くなられるまで30年間練馬区で過ごした方だったのですね。(練馬区立牧野記念庭園)さらにさらに、何と!本校の図書室には牧野さんがすべてスケッチした「増補版 牧野 日本植物図鑑」(写真②)が所蔵されています。(この本も、I先生が校長室にもってきて紹介してくれました。ものすごく貴重な本です)
 ところで、「雑草という名の草は無い」は牧野富太郎の有名な言葉です。こよなく植物を愛し、その研究に一生をかけ、自身が「好きなこと」を貫き通した。すばらしいしうらやましい一生と思います。この「雑草という名の…」という考えを、“教育活動”や“人材育成”という観点であてはめてみると、簡単な言葉のようで実に奥深い、そのような思いになりました。子どもたちには(当たり前ですが)それぞれ名前があり個性・特性がある。ハナミズキとヤマボウシがそれぞれ違うように…。その個性や特性を大人(教員や保護者)が、しっかり認めることから教育活動(含:子育て)を進めていく。その「しっかり認める」を、私たちはできているのだろうか、そう自問するのです。
 本校の樹木・植物の話に戻します。今、西門のところのタチアオイ(写真③)がとてもきれいです。またエントランスの手前には柏葉アジサイ(写真④)が雨に濡れながらしっとり咲き出しました。その隣にはバイカウツギ(写真⑤)がとてもかわいく咲いています。この花は、かわいいですが、気品を感じる純白さ、花の香りがふんわりとやわらかく甘いのです。  
 あわただしかった1学期前半、中間テストも終わり教育活動もいよいよ充実の1学期後半です。5月27日土曜日より“学校説明会”が行われます。受験生の皆さんには、本校の生徒たちのすがたも見ていただきながら、たくさんの花々を確認して、“お気に入り”を見つけてくださいね。次回は、(牧野さんも生き返ってくるのでは…?と思うような、本校体育館北側の湿地帯の「野草」について紹介します。

 

 さて、以下は5月10日に実施した「講堂朝礼」で私(校長)が生徒に話をした内容です。ご参考までにお時間がありましたらお読みください。

5月10日講堂朝礼「 皆さんに期待すること・・・Be a Global Citizen 」

 先日ようやく来年度受験用のパンフレットの原稿が出来上がりました。あとは印刷に出すだけです。撮影協力をしてくれた皆さんには私から改めてお礼を言います。本当にありがとうございました。 

 ちなみに、今年度の表紙のことばは、昨年度までと一緒で「Be a Global Citizen」です。そしてその意味は「地球社会の一員として国際社会に貢献できる女性(ひと)になろう」という意味です。育てたい皆さんの“姿”をずいぶん大きくとらえています。「グローバル」ということばが「学校教育の中で頻繁に使われだしたのは、たぶん皆さんの保護者の方々が生徒だったころ、1990年代です。

 ところで、私が校長として「グローバル」ということばを意識し始めたのは、恥ずかしながらついこの間(といっても今から12年以上前ですが)です。ある方の講演を聞いた時からです。ある方とは橘・フクシマ・咲江”という女性、その当時(2011年ごろ)アメリカのビジネスウイーク誌に「世界で最も影響力のあるヘッドハンタートップ50人」に、唯一の日本人として選ばれた方です。

 橘さんはその講演の中で「グローバルな人になるための基本を次のようにお話ししています。テーマは「中学生に期待すること」ですが、高校生の皆さんにとっても、実に深く理解ができることです

グローバルなコミュニケーション能力を培うことは皆さん(中学生)にとってとても大切であること、具体的には例えば「Aさんはアメリカ人だから○○だ・・とはじめから決めつけないこと」、「きれいな言葉はていねいな気持ちをつくること」などです。そして、その「グローバルな人」になるには、次のような考え方や行動が大切だ、とお話しくださいました。

それは・・・

○自分のしたことは自分で責任をとる(自律・自立)・・・失敗を人のせいにしない

○マニュアルに頼らない(自律・自立)・・・自分と人は違うので、マニュアル通りにはならない

○何でもやってみる(前向き)・・・むだな経験はない やってみなければ分からない

○成功の人生・キャリアは自分で作る(自律・自立)・・・会社や他の人は責任をもてない

○「できない」理由を考える前に、「どうやるか」を考える (前向き)・・・創造的問題解決能力を育てる

○人と競争するより、昨日の自分と競争する・・・他の人にはなれない、毎日新しいことを学んで、昨日より賢くなる

 

 皆さん、この場で何回も言っていますが、BLENDに挙げますので、ぜひ、読み返してくださいね。皆さんのこれからの前を向いた生活の中で、指針(取るべき態度や進むべき方向を示す方針)となる表現があったらうれしいです。

 (中略)

 このスライドも入学前に、学校説明会の中でいったことです。皆さんが、この東京女子学院で生活する究極の目標は「自分らしさを追い求め、 自立した学習者」になることだと思います。そして “私らしい私 君らしい君”になるためには、今、話をした「グローバルな人になる」ことと共通性がたくさんあると思います。以上で5月の講堂朝礼の話とします。

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