ちょっと遅い「あけまして…」令和5年初めてのブログです。

皆様、こんにちは。「あけまして…」と、ついこの間新年のあいさつをしていたら、今や…(家に帰ると)「1月も、もうあと10日だね」などとまるで暢気な家庭での会話です。多くの受験生にとっては、これからが進路決定の大切な時期なのに…。
さて、令和5年最初のブログになります。
高校3年生は、すでに通常の授業はなくなりましたが、「大学共通テスト」後の振り返りやその後の大学受験のために毎日一部の生徒が図書室に登校し学習しています。朝から午前中、午後にかけても(ほとんど姿勢を崩さず)筆記用具をもち続けている姿に、私(校長)はついつい“ちょっかい”を出したくなり、「○○さん、□□さん、△△さん、ちゃんとお昼食べた?まずは食べることだよ」と声掛けします。それに対して、心の不安を顔に出さぬようにか…○○さんは、にっこりうなずき、一貫生の□□さんも「ハイ!今日のお昼もおいしかったです。」と目で返答。△△さんは「校長先生、大丈夫、しっかりたべた!」と左手を握って親指を突き立て“OKサイン”。その逞しさ…いいね…。最後の最後の最後まで、自分らしく頑張ってほしい、そう思うのです。
本校への受験、つまり高校受験・中学受験。いよいよこの日曜日よりの推薦入試を皮切りに、中学受験・高校一般受験と始まります。こちらの受験生たちも、「まずは、おいしいもの食べて!」そして、一日の生活の中の一瞬でも“笑”や“笑顔”が見られると本番では“日頃”の力がそのまま発揮できるような受験になりますよ。自身の一日の生活を振り返り、就寝前に鏡を見ながら左手握って親指を突き立て、自分に向かってOKサインを示してください。毎日やっていれば、たぶんいろいろなことに自信がついてきますよ。他人から「がんばれ」といわれ頑張るのではなく、(その親指で)自分で自身の受験スピリッツを鼓舞(こぶ)してくださいね。
もうひとつ、グローバルな、新年にふさわしい“素敵な”話題を…。
先日、全校生徒が講堂に集まる機会がありました。Rさんの(少し早い)フェアウエル(farewell)セレモニーがありました。Rさんは、昨年4月に留学生としてドイツからきた生徒で、この1月で母国に帰ることになります。たぶん、来日前には日本語を一生懸命勉強してきたのでしょうが…4~5月のころは、(“たどたどしい”とも言えない)日本語のやりとりでした。しかし、壇上でのスピーチは日本語で書いたメモをチラチラと見ながらも、しっかりフロア全体を見通し、話し方の抑揚もつけて別れの挨拶をしていました。フロアで生徒たちの姿をみていると、何人かの生徒たちが目頭をふいている姿も見えました。
もちろん、2学期半ば過ぎからはほとんど生徒との会話やホストファミリーでの日常会話はこの10か月間で問題無いようになりました。日本の文化もたくさん学んだことでしょう。そして、Rさんは、バレーボール(全くの素人だったそうです)部に所属し、長かった金髪(まさにキラキラしていて、黒髪の日本人からするととてもうらやましい?)を、いつの間にかばっさり短くして、毎日一生けん命にボールを追っていました。規則がありますから、公式の試合には出場することができないにもかかわらず、他の生徒と(髪以外は)全く区別がつかないくらいにチームになじんで活動していました。春、対面パスさえうまくできなかったのに、先日は強烈なジャンプサーブをフロアに落としていました。バレーの専門の先生からも目を見張る成長ぶりでした。
この留学生徒の姿を見て、「若者の無限の可能性」を感じずにはいられませんし、本当に素晴らしい学習生活を行っていると思いました。本校からも生徒が米・英・加・豪(オーストラリア)・新西蘭(ニュージーランド)に留学していて、日本に帰ってくると英語力を身に付けるだけでなく、生活面においても多くの成長が見られます。そして、本校の留学生を受け入れる環境も実に良かった、と思いますが、やはり、環境や体制のことよりも、何よりも本人の意欲と目的意識が無限の可能性の扉を自らが開いていくのだろう、そう思うのです。
彼女たちを含めて、国籍を問わず、向学心・向上心をもつ若者を、積極的にサポートしていくことは、大人の使命であるとさえ思います。「Rさん、帰国をしてどんな道に進んで行くのだろう。とても楽しみ…」そんな思いをしながら、フェアウエルスピーチに私も目頭を熱くしました。