東京女子学院

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教職員コラム 「教員にもとめられる資質」(2/2)

 教壇に立つ者であれば、教科書レベルのことは理解できて当たり前です。知識の総量としては生徒を上回っていて当然です。教員免許状は大学で取得する資格ですから、少なくとも大学を卒業できる学力は持っているはずです。しかし、教科書・教材で何を教えるのかを問われるのが教員です。教科書に書いてあることを知っているだけでは教員は勤まりません。教科書の項目を深く掘り下げて微細なことまで知っているだけでも教員は勤まりません。単なる物知りに過ぎない教員の授業には、教育理念や指導信念・意図が伴っていません。理解を導くに十分な授業準備がない授業は、生徒の理解を妨げるだけでなく学習意欲を減退させます。教員は知ったかぶりをしてはいけません。知らないことは知らないと言い、分からないことは分からないと言えばいいのです。「分からないから次回までに調べてくるね」と言って、自分の宿題にすれば良いのです。

 

 教員に求められる資質は、①導入期の基本事項の反復を生徒に楽しいと感じさせる力、②生徒のつまずきや問いかけを理解して、誠実に疑問の解消を図る力、③基本から発展に進む時機を的確につかみ生徒を導く力、④生徒の心に迫り、感動と自信を与える力、⑤飛躍への勇気を生徒に持たせる力、などが挙げられます。

そのためには、常に生徒をしっかり看ることです。生徒に真剣に向き合うことです。時に生徒と一緒に苦しみ悩み、時にハードルともなる覚悟を持つことです。教員の仕事には際限がありません。生徒は悩むものです。失敗するものです。嫌なことからは逃げるものです。それをどうフォローアップできるかが問われています。

 

 教員が自分で勝手に柵(さく)を設け、指導範囲を限定していたのでは、それこそ開く埒(らち)も明きません。もちろん四六時中働き続けることは無理なことです。個としての生活も大切です。しかし、生徒を育てようとする自覚と研鑽と慈愛は常に忘れるべからずです。卒業まで、しっかり育て上げることが教員の使命です。手抜きをして当たり前になっている教員や、指導が必要な時に手をこまねいていて平気な類の教員は、東京女子学院にはおりません。

 

  努力が全て報われるとは限りません。しかし、達成の歓び、成功の喜びを味わう者には必ず努力があります。生徒にも教員にも、貴いのは終始一貫の至誠努力であると考えています。東京女子学院には、「生活即教育」という素晴らしい理念があります。日々の生活の中には、誰かがやらなければならないこと、誰かが必ずやっていることがあります。それらのことは、誰かに命じられたからやるものでも、やらずに済ませられるものでもありません。できる時に、できる人が、進んでやるから、日々の生活が成り立ちます。人に言われてする仕事は、間に合わせでしかありません。命じられてすること、当番ですることは、本当は「生活即教育」の理念から隔たっていると考えます。自発的意志がない限り本物ではありません。

 

                                                                       校 長 金  井  康
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