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お知らせ

大学受験でお世話になった三人の先生

2015年11月 9日08:00 |

高校3年のインターハイを終えた8月下旬、教頭先生から呼び出された。「また、何かしでかしたのか」と笑う友人。

重い足取りで教頭先生が待つ部屋にいくと、「進学はどうすんだ」と話は大学受験のことでホッとした。

「できれば〇〇大学に行きたいと思っています」

「〇〇大学?君の成績ではまず無理だよ」

「そうですか、でも行きたいです」と心もとない返事をした。

翌日、こんどは担任から呼び出しを受けた。

「お前、本当に〇〇大学に入りたいのか」 「はい」

「本当に、本当にそのつもりか」 「はい」

「今から相当勉強しても難しいぞ」 「頑張ります」

すると「じゃあ、明日から受験勉強を開始するぞ」と言われた。

「えっ」とびっくりしたが、思わず「わかりました」と答えた。

翌日の放課後から授業が始まった。たった一人の教室は広く静かだった。

忙しい中、担任が国語、クラブ顧問が数学、そして野球部の監督が英語を担当してくれた。過去問題などを中心に問題を解くが全く歯が立たない。おまけに毎日どっさりと宿題を渡される。毎日のように夜遅くまで机に向かう私。母は感心するより心配顔で遅くまで寝ないでいたと後で聞いた。

特訓は入試直前の2月初旬まで続いた。自分でもよく続けられたと思うが、これはひとえに三人の先生の働き掛けのおかげだと思う。

入試会場で受験生の多さに驚いた。合格発表までの何日かは不安で一杯であった。だが、合格発表の掲示に自分の番号があり、胸をなでおろした。

嬉しくて勇んで学校に合格報告に行った。先生方がとても喜んでくれたが、特に担任は「良く頑張ったものなぁ」と私の両肩に手を当てゆすってくださった。

 

学校に勤務することになって「教育とはなんだろう」と考える。生徒達のやろうとする意欲、やり遂げようとする意志、こうしたものはどこから生まれるのか。

私一人のために毎日授業をして、宿題を作り翌日採点・添削してくれた先生方は、大変だったのだと思えてならない。三人の先生は、私の内なるものに働き掛け、意欲付けを重ね、辛抱強く見守ってくれたのだと感じる。

そうしてたどり着いたのは、意欲・意志は「自分の内側から湧き出る、自ずからなるもの」という思いだ。先生方が私に働き掛けをしてくださったのだと思う。

そこから、教育とは与えるもの(教える、育てる)ではなく、受け手自身が「教わりたい、育ててもらった」と思えることに至った。

三人の先生には本当に育てていただいたのだと感じる。今更遅いがお礼を述べたい。

 

                                                       事務局 行田源