「ごきげんよう」。
東京女子学院の伝統的な挨拶ことばです。朝礼でも終礼でも、授業の始めと終わりにも、生徒も教員も皆で明るく交わす挨拶です。
寒くなりましたね。年間で最も寒い時季を迎えます。しかし、一陽来復です。今日は冬至を迎え、明日からは日脚が延びることになります。校庭や教室の窓から真っ白な富士山が望まれる日々が増えてきます。
12月15日の夕方、NHKの首都圏ネットワークNewsで、本校の「ごきげんよう」の挨拶が電波に乗りました。中学3年生の礼法の授業の一コマです。礼法室で礼法の授業が始まる際の生徒たちの姿でした。昨今では、このような学びを提供する学校は少なくなりました。受験効率を意識し宣伝して、中学・高等学校での出口評価は大学合格実績しかないと割り切る手法もあるのでしょうが、本学院の教育では、生徒が社会に出てからのことを考え、知育偏重にならない教育、知性と感性がバランス良く調和・融合する教育を貫いております。「考えつつ学び」「学びつつ行い」「行いつつ考え」て生きることのできる女性の素地を養います。社会に出た時、答えのない課題にも積極的に立ち向かう勇気と、どんな窮地に立っても明るさと周囲への配慮を失わない「ひととなり」を育んで参ります。
今や、企業の人事担当者も、著名大学を出ただけで採用を判断することはなくなっています。価値観の「ものさし」は、学歴だけではありません。学歴よりも「ひととなり」が重視される時代となっています。
NHKの首都圏ネットワークNewsでは、公立の中高一貫校が続々開校して人気を集める一方、「中堅の私立女子校で募集が容易ではなくなっている」と報道しました。その例として、練馬区の東京女子学院と世田谷区の女子校が取材されていました。本校は、「多い時には1400名いた生徒数が、今は1割の140名に減少している。今春の中学入試でも応募者が17名に減少」との切り口で紹介されていました。人によってはネガティブに受け止めかねない報道です。時間的制約があるNewsという性格上、肝心なところや本質に迫る編集は難しいのだろうと思います。特定の学校を宣伝するわけにもいきません。
取材受け入れにあたり、校長として覚悟していたことが三つあります。①現実を直視する覚悟と、②確実に応募者増を図る覚悟と、③教育の質的改善を図る覚悟でした。果たせるかな、NHKでは20年も前の生徒数との比較で生徒数の減少を際立たせていました。その構図の方が、Newsとしては取り上げやすかったのでしょう。私は、20年前に戻そうとは考えていません。「1400名ではできなかった教育が、少人数になった今だからこそできる」と、前向きに考えています。だからこそ、インタビューで「中高一貫教育は、もともと私立校で育った制度です。今まで私立には目が向いていなかった層にも、公立の適性検査導入を機に、私立の中高一貫校の価値に改めて気づき、私立校受験を考える層が増えてくれるとありがたいですね」と答えました。平成24年度から、中学校入試に適性検査型入試を導入しますが、公立の中高一貫校型の適性検査問題を真似る意図はありません。「考える力」を持っているのに、従来型の入試問題では切り捨てられてしまった層がいます。その層の受験生を受け入れ、中高一貫の本学院でしっかり教育していこうと考えての導入です。中学入学者は6年間を一貫でお預かりします。成績不振を理由に中途で他校受験を勧めるなど、とんでもないことです。本学院では切り捨て教育はいたしません。ご安心ください。毎日通学してくる生徒なら、伸びない生徒はいません。大きな伸びしろに期待しましょう。
*12月19日(月)には、NHK「おはようニッポン」でもダイジェスト版が
放映されました。全国放映でしたから、あちこちから反応が寄せられています。
本学院では、教職員が力を合わせて、着実に教育の質を高めて参ります。生徒数も、徐々に増やして参ります。1400名では行き届かなかった面にも、150名、200名の少人数教育なら十分に目が届きます。学校説明会に来校される受験生が着実に増えています。広報活動でも、本校の教育を理解してくださる方々が多くなっているとの手応えを感じております。
今年度から始めた「Blooming Program」や、大幅な見直しを図った「TJG English」を、来年度は更に充実させて参ります。世代交代も考慮しつつ、教員の補充をして参ります。例えば、世界を視野に入れた教育を推進するために、TOEICで800点、900点の実力を備えた教員を増強しようと考えています。教員としての資質を備えた人材であることは言うまでもありません。
東京女子学院も一陽来復の季節を迎えています。本学院の教育にご期待いただきたく存じます。
平成23年12月22日(木) 校長 金 井 康
